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新潟家庭裁判所 昭和53年(少)1292号 決定 1979年4月23日

本人 B・R(昭三三・二・一五生)

主文

少年を水戸保護観察所の保護観察に付する。

同保護観察の期間を昭和五六年二月一四日までとする。

理由

(非行事実)

少年は、

一  昭和五三年三月中旬から同年四月中旬にかけて数回にわたり、飲酒した後、酒気を帯びたまま乗用車を運転し

二  少年Aと共謀のうえ、同年七月一〇日午後二時ころ、新潟県北蒲原郡○○町○○方面から○○方面に向けて走行中の乗用車内において、シンナーを吸引し、また、そのうえで乗用車を運転し

三  前記Aと共謀のうえ、同月中旬ころの午後四時ころ、中蒲原郡○○○町所存の前記A宅付近に駐車した乗用車内において、シンナーを吸引し、また、そのうえで乗用車を運転したものである。

(法令の適用)

各事実につき、少年法三条一項三号ハ、ニ

(処遇事由)

一  少年は、昭和四八年三月中学校を卒業したが、昭和四九年からAらと共に有機溶剤を乱用するようになり、昭和五〇年六月当裁判所において保護観察に付された。ところが、その後もBらと共に有機溶剤を乱用し、昭和五一年三月不処分とされた。同年七月Bと共に恐喝及び有機溶剤の乱用をなしたため、同年八月当庁調査官の試験観察に付された。しかし同年一二月Cと共に車盗をなし、また、犯人隠避、六六キロ超過のスピード違反等をなしたため、昭和五二年一月中等少年院に送致された。同年一一月茨城農芸学院を仮退院したが、間もない同年一二月Aと共に有機溶剤を乱用し、昭和五三年二月保護観察に付された。ところが、その後もAらと共に有機溶剤の乱用、免停中の運転等をなしたため、本件ぐ犯として通告された。これについて、当裁判所は、同年一〇月当庁調査官の試験観察に付するとともに、補導を○○○少年寮に委託した。少年は、○○○○寮長らの指導を受けるとともに、少年の希望により、保護司でもある○○○○○方でそば屋従業員として修業した。

二  少年は、内省力及び判断力が劣り、自己統制力及び働く根気も乏しかつたのであるが、今回の補導委託により、成人としての自覚を深めつつあり、且つ、将来そば屋を経営したいという意欲を持つて修業している。そして、少年が不良交友に影響されやすいことからして、少年及び両親は、○○○○○方での住込修業を希望している。

三  以上により、少年についてはなお専門家の補導が必要であるから、主文掲記の期間を定めて少年を新たに保護観察に付することとし、犯罪者予防更生法四二条、少年法二四条一項一号、少年審判規則三七条一項により、主文のとおり決定する。

(裁判官 小林孝一)

〔参考一〕 少年調査票<省略>

〔参考二〕 通告書<省略>

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